
恐竜からくるイメージでもっとも単純で重要なものは大きさではないだろうか? 恐竜の値打ちは大きいことに尽きるといっても過言ではないだろう。では数ある恐竜の中で最大のものはどれか? すぐに答えが返ってきそうなものだが、実はそうでもない。340を数える恐竜の中でまともな復元骨格が存在するものは少なく、たいていは化石の足りない部分をグラスファイバーや石膏で模型を作って補っている。最近相次いで発見された巨大な竜脚類(かみなり竜)の多くは骨組の断片しか見つかっておらず骨格を組み立てるにも至らない。そこから推定される大きさにはかなりの誤差があると考えねばならない。
その最たるものは1980年、モロッコで発見されたたった一つの足跡化石(115cm)を元に記載されたブレピパロプス Breviparopus taghbaloutensis だろう。この足跡の主は推定体重50t、全長48mなどという発表がなされたがこれらの数字にどれほどの根拠があるのだろうか?
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1908年に東アフリカのタンザニアで発見されたトルニエリア Tornieria も、全長48mもあってクジラよりもはるかに大きかったといわれた。見つかったのは脛の骨や大腿骨など。 最初はギガントサウルス Gigantosaurus と呼ばれ上のような巨大な想像図が描かれたりした(左の小さい方がディプロドクス!)。 |
しかし幾つかの骨は後にバロサウルス Barosaurus africanus のものであると同定されてしまう。残りはジュラ紀後期に生息した最初のティタノサウルス科のものらしいとして新たに Janenschia robusta と名前を変えることになった。かなり大きな恐竜だったことは確かなようだが、48mには程遠かった(24m)。 |
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| 2001年5月、エジプトでティタノサウルス科と思われる巨大な恐竜の化石が発見された。白亜紀後期、およそ9500万年前のものでパラリティタン Paralititan stromeri と命名された。見つかったのは103個の断片に分かれた16ヶ所以上の骨で最も大きいものは1.7mの上腕骨。 最も重量のある恐竜の一つとされ、早々と復元図も発表されている。 推定体重は50−80トン、全長:24−30m。 肩の高さ4−5m、頭の高さ7.5−9m。 もっともこれらの数字はこれからの研究で変わってくるだろう。 ペンシルバニア大学の調査隊が発掘したのはカイロから320km南西の Bahariya オアシス、今はサハラ砂漠となっているが、当時はマングローブの生い茂る沼地だったようだ。 |
2004年3月、スペインの Teruel でまた最大級の恐竜発見のニュースがあった。草食性の竜脚類、それもパラリティタンに近いだろうと考えられている。 中生代ジュラ紀のもので、179cmの上腕骨や30cmの爪などが見つかっている。上腕骨はパラリティタンのそれよりやや大きく、the largest humerus ever found in the world と述べられているが、ではタンザニアやアメリカで発見されたブラキオサウルスの上腕骨が2m以上あるというのは? この骨は完全ではなく破損しているのだろうか? 古生物学会を揺るがすであろうこの恐竜は2006年にトゥリアサウルス Turiasaurus riodevensis と名付けられた。竜脚類のどのグループに属するのか明確にされていないようだが、全長30−37m、体重40−48tと推定されている(BBC)。 ※ わたぴーさんと古谷さんから知らせていただきました。 |

↑アトランタの Fernbank 博物館にあるアルゼンティノサウルスの組立骨格(右は脊椎の化石)。
いまのところ最大の恐竜として最もよく話題に上がるのはアルゼンティノサウルス Argentinosaurus huinculensis (上)で、1989年にアルゼンチンの白亜紀後期(9000万年前)の地層から発見されている。最初見つかったのは6個の繋がった脊椎と大腿骨だけだった。その脊椎は高さが1.6m、大腿骨は長さ2.3mもあるが、これだけで全体の大きさを推定するのは難しい。竜脚類の中でもどのグループに属するかでプロポーションが大きく変わってくるからだ。 わかっている限りでは比較的細身だったようで、最初は全長40mという発表もあったが、その後プロポーションの修正がなされたのか、30mあたりまで下がった。一方体重の方は40−55tといったところから80tくらいまで上昇している。おそらくアルゼンティノサウルスと同じくらいの大きさだった。 |
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2006年7月、アルゼンティノサウルス並の巨大な新種の恐竜の発表があった。2001年にアルゼンチンで見つかったもので、発掘されたのは頸骨や背骨、尾の骨など。その背骨は高さ1.1m、幅1.7mもある。 ティタノサウルス科の1種で、プエルタサウルス Puertasaurus reuili と名付けられ、全長35−40m、体重は80−100tもあっただろうという。 特筆すべきは大きさだけでなく、白亜紀後期−7000万年前にこれほど巨大な竜脚類が生存していたことだ。また当時のパタゴニアは森林地帯であったと考えられている。(National Geographic)。 |
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2007年10月、またもやアルゼンチンから最大級の恐竜発見のニュースがもたらされた。ティタノサウルス科の新種と見られるこの恐竜はフタログンコサウルス Futalognkosaurus dukei と命名されており、全長32−34m、頭までの高さ13m、体重70tと推定されている。
化石は2000年に湖のほとりの約8800万年前(白亜紀後期)の地層から発見されたが、大型恐竜としては珍しく全体の7割がほぼ完全に近い形で発掘されたという(MSN)。
※ スズメっちさんから知らせていただきました。